血糖自己測定の種類
糖尿病患者で、インスリンの自己注射が必要な場合は、簡易血糖測定器を使用して血糖自己測定を行います。
血糖自己測定を行うことで自分の血糖の変化を確認し、インスリン注射の量をコントロールしたり、主治医の治療計画に役立てます。
今回は簡易自己測定の種類と特徴をご紹介したいと思います。
血糖自己測定SMBG(Self Monitoring Blood Glucose)とは、自宅などで専用の穿刺(せんし)器具で指先に傷をつけて血をだし、血糖測定器で採取して血糖値を測定します。
持続グルコースモニタリング(CGM:Continuous Glucose Monitoring)とは、皮下に刺した細いセンサーにより皮下の間質液中の糖濃度(間質グルコース値)を持続的に測定することで、1日の血糖変動を知ることが出来る医療機器のことです。
血糖値と皮下の間質グルコース値はほぼ同じなので、1日の血糖値の動きが持続的に視覚的にわかります。CGMには、プロフェッショナルCGMと呼ばれるものと、パーソナル(リアルタイム)CGMと呼ばれるものがあります。注意点としてCGMは、自身で指先などに針を指して測定した血糖自己測定(SMBG)の血糖値で補正する必要がありますので、血糖自己測定が不要になるわけではありません。
①プロフェッショナルCGM
センサ―は1週間程度装着できますが、センサーを抜去してから記録されたデータをコンピュータで読み取るので、“今、その時”の間質グルコース値がわかるわけではありません。医療機関で読み取ることから、プロフェッショナルCGMと呼ばれます。血糖自己測定ではわからない血糖変動が明らかになるので、今の治療法が上手くいっているかどうかを見ることができます。②パーソナルCGM(リアルタイムCGM)
常時、直近の間質グルコース値が表示されるCGMです。患者自身が、リアルタイムに血糖変動を見ながら生活することができるので、パーソナルCGM、もしくはリアルタイムCGMとも呼ばれています。
日本では、インスリンポンプに付属したタイプのパーソナルCGMが使用できます。
フラッシュグルコースモニタリング(FGM:Flash Glucose Monitoring)は、CGMと同様に皮下の間質グルコース値を持続的に14日間測定できるセンサーを上腕に留置し、ICカードのように、センサーにリーダーをかざすことでその値を確認できる医療機器のことです。
指先から血液を出して値を確認する(較正といいます)必要がないので、かざすだけで間質グルコース値の確認ができます。
リアルタイム CGM との違いは、リアルタイム CGM では常に画面に間質グルコース値が表示されますが、FGM ではかざした時だけに値の確認ができることです。
また、リアルタイム CGM では、アラート(電子音)で低血糖や高血糖を教えてくれますが、FGMにはその機能はありません。
引用元:認定特定非営利活動法人日本IDDMネットワーク
簡単にまとめるとSMBGは血液から血糖値を測定し、CGM、FGMは間質グルコース値で血糖値を測定します。
SMBGは、血液中の糖濃度を直接採取して測定し、正確な血糖値をだします。
CGM、FGMは、間質液(細胞と細胞の間に存在する液体のこと)中に含まれるグルコース(ぶどう糖)の濃度を持続的に測定し、血糖値に換算して値をだします。そのため、間質グルコース値は血糖値の変化より5~10分のタイムラグがあると言われています。間質グルコース値は、正確な血糖値ではないため、正確な血糖値を測定するにはSMBGでの測定が必要になります。
次回はFGMについて詳しく触れたいと思います。
それではまた。